蒼夏の刹那
いつもより遠回りして目的地に行くと、蒼は葉桜を眺め速水くんは読書をしていた。
……もう来てたんだ、いつから待ってたんだろう?
そんな事を思った時、速水くんが文庫本から顔を上げる。
「気にするな。約束の時間よりちょっと早く着いた、だけだ」
「そうなんだ……速水くん、重そうな荷物だね」
手提げから覗かせたのは、量は少ないけど厚みのある本が数冊。
文庫本は自分のを持参したのかもしれない。
「まあ。……本、好きだし」
「速水くんは推理もの好きだよね」
そう微笑むと速水くんも微笑み返す。
思い出せてよかったと、強く思う。速水くんの記憶も、笑顔も、私の大事なたからもの。
……もう来てたんだ、いつから待ってたんだろう?
そんな事を思った時、速水くんが文庫本から顔を上げる。
「気にするな。約束の時間よりちょっと早く着いた、だけだ」
「そうなんだ……速水くん、重そうな荷物だね」
手提げから覗かせたのは、量は少ないけど厚みのある本が数冊。
文庫本は自分のを持参したのかもしれない。
「まあ。……本、好きだし」
「速水くんは推理もの好きだよね」
そう微笑むと速水くんも微笑み返す。
思い出せてよかったと、強く思う。速水くんの記憶も、笑顔も、私の大事なたからもの。