彼女
夜空
あれからオレ達は
一度も会っていない。
専らメール、ごくたまに携帯で話す位になっていた。
なぜなら
彼女にはダンナの他にも家族がいた。
高校生の娘と小学生の息子。
なかなか会う事なんてできない。
でもその会えない時間がかえって彼女の存在を大きくしていた。
携帯に真剣に向き合ってるオレ
『会いたい。あっこちゃんを抱きしめたい。』
送信。
‘あっこちゃん’は彼女がそう呼んでほしい、と言うからそういう事になった。
でも…。
受信。
『私も。タンタンに逢いたい!』
……‘タンタン’は頂けない…な。
彼女がどうしてもそう呼びたい!と言うのでそうなったけど。
実のところ驚いた。
恥ずかしい話オレは幼少の頃‘タンタン’と呼ばれていた。
その事を話すと彼女も驚いたようだが…
ナント…ますます気に入ってしまったらしい。
恥ずかしすぎるんだけど…。