彼女
待ちに待った土曜の夜がきた。
親父はオレには無関心。
お袋は仕事から帰っていない。
中学生の妹は部屋にこもってる。
オレはとりあえず
「行ってきます。」と声かけて家を出た。
彼女と初めて出会った場所が待ち合わせ場所だった。
既に軽自動車が停まっていた。
彼女だ。
オレは走った。
車の横まで行く。
窓が開いた。
運転席から彼女が優しく微笑んでいる。
「こんばんは!」
オレは車に乗り込んでから
「こんばんは!」
と言った。
それから車が走りだした。
「久しぶりだね!
髪…カットしたんだ。夏らしくていいね。」
気づいてくれた。
さすが!女の人ってちょっとした変化に敏感だ。
「そうなんだ。あっこちゃんに会う為にちょっとキメてみた。」
「ホントにぃ?でもすごくいいよ!」