彼女
街の灯り
「うおぉぉ!!!」
オレは感嘆の声をあげていた。
「いいでしょ。綺麗でしょ。」
オレ達はあの場所に来ていた。
目の前に広がる夜景は…
…まるで…色とりどりの宝石が散りばめられているようだった。
オレはすごく感動していた。
「こんなキレイな場所があったんだ。
あっこちゃんスゴイよ!!!」
彼女は静かに微笑んでいる。
「ここは……この場所は…みんな感激するんだよ…。」
みんな?
…何か意味ありげだ…。
「やっぱり…昔…彼氏とかダンナとかと来たりした?」
彼女は黙ったまま外に目を向けている。
「だよね~。来るよ!絶対来ちゃうよ!」
オレひとりで喋ってる。
「やっぱダンナさんとも当然来てるよね!」
オレ、何聞いてんだ?
ヤキモチか?
「オレって何人目?」
馬鹿なオレ!!!
その時、彼女の頬を光るものが流れた。
泣かしてどうするオレ!!