彼女


オレってホント馬鹿だ。彼女に逢いたくて逢いたくてここに来たのに。


彼女を癒してあげるつもりで来たのに。


守ってあげよう!だなんて百年早い!




「ごめんね…。」


え?

「どうしてあっこちゃんが謝るんだ。」



「だって……また泣いちゃった。」


「違うよ。オレが変な事聞いたりするから…オレの方こそゴメン。」




「私ね、すぐ泣く女って嫌いだったんだよ。泣いて事が済む訳ないだろ!ってよく思ってた。
なのに、ね、自分がすぐ泣く女になっちゃった。
“ウザイ”でしょ。」


彼女の瞳は涙でいっぱいなのに一所懸命笑顔を作っている。


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