彼女

そして…


オレ達はさっきまで見ていた街の灯りの一部に紛れ込んでいた。


こうなる事はわかっていた。


…違うな…こうなる事を望んでいた…と言うべきか。



…ホテルの一室。


薄明かりの中
彼女の優しい手がオレの髪をなでる。




彼女の静かな途切れ途切れの声にドキドキしている。




彼女が優しくオレを包み込む。




彼女は…やわらかくて…しっとりしていて…
オレは、どんどん吸い込まれていった。



彼女の唇から何度も何度もオレの名前が溢れ出す。



すごく心地良い。



オレも彼女の名前を呼ぶ。




オレ彼女を離したくない。



オレの心はどんどん上り詰めていった。


< 26 / 65 >

この作品をシェア

pagetop