彼女



受信。
『すぐ迎えに行くからいつもの道歩いてる』



オレの親指は素早く動いた。

『いつもの道で待ってるヨ』
送信。




彼女に会うのは2週間ぶりくらいだ。





オレは彼女からの誘いをいつでも待っているんだ。


あの夜だって帰りたくなかった。


次の日だって彼女に会いたかった。



毎日だって会いたい。


けど…

家庭がある彼女をオレが誘う訳にはいかない事位わかっているから…。


わかっているから彼女からの連絡を待っているんだ。




かなり年上の彼女。


しかも人妻。




このまま付き合った所で未来が在るワケが無いのもわかっている。



けど…
今はただ彼女に会いたい。



< 30 / 65 >

この作品をシェア

pagetop