彼女




ーーーーーー

「ただいま。」



返事は無い。



居間のドアを開けると母さんがいた。


振り返る。



「おかえり。」



「ただいま…。」




母さんはその後黙っていた。



何も言わないから居間を出ようとドアを開けた。




「今まで誰といたの?」

母さんが口を開いた。


オレは手を止め、さっきのまま嘘を言った。




「わかってるからね。」



「…何が?」



「あんたが誰といたか。」



「ふーん。じゃあ、聞かなくてもいいじゃん。」


オレは開き直っていた。



「認めるの?」

声が少しキツくなっている。




「は?何を?
意味がわかんないんだけど?」



母さんは小さくため息をついた。




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