彼女
「達也、責めてる訳じゃないの。
あんたは世の中の事まだわからないコドモだから仕方ないの。
達也が悪い訳じゃないから。」
母さんは急に優しい口調で言った。
やっぱり見てたのか?
でも…これで認めてはいけない様な気がしていた。
「何言ってんのかわからない。
母さん勘違いしてる。」
「達也…。
母さん見たの。」
「え?」
やっぱり…。
見られてたか。
「母さん仕事してた時、スーパーに来たでしょう。」
もう、しらばっくれる訳にはいかないか…。
でも……。
「行ってない。」
とっさに嘘を口走ってるオレ。
母さんは驚いているようだった。
「ねぇ、本当の事なの?」
え?
「本当だよ。」
「嘘じゃないのね?」
「だから、何度も言ってるだろうが!!」