彼女
それから
沈黙が続いた。
少しして彼女が口を開いた。
「いつ知ったの?」
「昨日…車のシートに免許証が落ちてたから…。」
「そうだったんだ……。
ね、どうして偽名使ったと思う?」
「……信用されて無い…から?
得体の知れない高校生なんかにホントの名前知られたくなかった……から?」
彼女は何度も首を横に振った。
オレにはわからなかった。
「じゃあ、どうして?」
彼女は何か決心した様子で話し始めた。
「…タンタンは…すごくいい子!
私は……ホント悪い女なんだよ。」
わからない。
「どういう事?」
全然意味がわからない。
それから
オレは衝撃を受ける言葉を聞いた。
「私は…タンタンの事知ってた……
あの雨の日に出会う前から…。」