彼女




それから
沈黙が続いた。






少しして彼女が口を開いた。

「いつ知ったの?」





「昨日…車のシートに免許証が落ちてたから…。」







「そうだったんだ……。


ね、どうして偽名使ったと思う?」







「……信用されて無い…から?
得体の知れない高校生なんかにホントの名前知られたくなかった……から?」






彼女は何度も首を横に振った。






オレにはわからなかった。




「じゃあ、どうして?」



彼女は何か決心した様子で話し始めた。

「…タンタンは…すごくいい子!
私は……ホント悪い女なんだよ。」



わからない。

「どういう事?」




全然意味がわからない。





それから
オレは衝撃を受ける言葉を聞いた。



「私は…タンタンの事知ってた……
あの雨の日に出会う前から…。」






< 53 / 65 >

この作品をシェア

pagetop