彼女
稲妻
あまりにも衝撃的で彼女の言葉を理解するのに時間がかかった。
「知ってた?
オレの事?」
彼女が頷く。
「え?
それは……どういう事?」
厚い灰色の雲が空を覆い始め、さっきまで見えていた太陽は消えていた。
当然、虹も無い。
まるでこれからのオレの心を示すかのように。
彼女はオレをチラッと見てからうつむいて話し始めた。
「うちのダンナさんとあなたのお母さんは…………
不倫してたの。」
「?!!」
言葉にならないオレ。
空がゴロゴロいいだした。
こんなに都合よく効果音って鳴り始めるんだろうか…。
ものすごく重要な事を聞いていたと言うのに、どうでもいい様な事を考えているオレがいる。