彼女
「オレは…。
……それでもオレは、あっこちゃん…じゃなくて、雅美さんが好きだ!
今は雅美さんの事が大切だよ。
元はお袋が悪いんだ!
やっぱりオレは謝るよ。
雅美…さん、苦しませてごめん。」
「……私はあなたのお母さんを苦しませてみたかったんだよ!
大切なモノを奪われた人間がどんな気持ちでいるのか知らしめたかっただけなの!
だめ!だめだよ!!タンタンはそんな事言っちゃいけないの!!」
オレは首を横に振っている彼女を抱きしめた。
「どんな理由があろうと、オレはあなたが大好きなんだよ!!好きになっちゃったんだよ!!!」
彼女を抱きしめながらオレも涙流した。
外はいつの間にか土砂降りなっていた。
「今はどうなんだよ。雅美さんは…オレの事好き?」
「ちょっと待って……。」
彼女は一呼吸おいて…それから、また話始めた。
「最初は、明子さんがした事をバラすつもりであなたに近付いたの。
でも、思わぬ方向へと進んでいった……。」