彼女

夕焼け


翌日の放課後
すぐ彼女に携帯をかけた。


「…はい。」


「オレです。達也です。」


「あ、達也くん?
学校終わったの?」


「はい!」



「元気いいね。」


当然だよ。あなたの声が聞けたから。




「まぁ元気が取り柄ですから。」


携帯の向こうから彼女の笑い声が聞こえる。

オレも笑う。



「…どこで待ち合わせしようか…。」





「うーーん…。」


オレが悩んでいると


「私ね、今車なんだ。昨日の所で待っててくれる?
すぐ行くから。」



「あ…わかりました。待ってます。」





オレは彼女と初めて出会った小さな森の傍の歩道まで歩いた。
昨日と違っていい天気だ。
雨が降ると少しばかり肌寒いが今日は歩くと汗ばむくらいだ。
6月ってそんなものだ。



木陰で待つ。


10分たったか、たたないくらいだった。パールホワイトの軽自動車がオレのそばで留まった。







「お待たせ!」

彼女だった。



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