彼女
「あ、ども。」
オレは軽く頭を下げた。
「乗って。」
彼女に言われてオレは助手席に乗った。
車が走り出す。
彼女の横顔をチラッと見る。
少し開いた窓から風が入ってセミロングの髪がなびいている。
彼女は微笑んでから
「ごめんね。傘返すだけなのに車になんか乗せちゃって。」
「や、いいですよ。オレも…なんて言うか…あつこさんと話したかったし…。」
オレ頑張ってる。
「え~!びっくりしちゃうなぁ。私なんかと?
…でも…嬉しい!
若い男の子にそんな事言われて。」
彼女がチラッとオレを見る。
オレはドキドキしながらも平静を装って彼女と話した。
「若いって…あつこさんはいくつなんですか?」
「聞く?もう失礼だなぁ。いくつに見える?」