翼~開け放たれたドア~
「雅人ー」

ちょいちょいと飛鳥さんに手招きされ、踊場へと歩いていく。

「なんですか?」

「んー?大丈夫かどうか確認」

「へ?」

な、なんの話?

「…大丈夫っぽいね。雅人、春輝の頭撫でて」

「え」

「いいからいいから」

下を見れば、春輝さんは俺をジッと見上げてくる。

フードと長い前髪で分かりづらいけど、よく見ればかわいい顔立ちの春輝さん。

俺はゆっくりと手を伸ばし、そっとその頭に触れた。

ピクッと肩を揺らしたけど、特に抵抗することもなく。

されるがまま。

……なんか、妹もったらこんな感じなんだろうかと思ってしまった。

一人っ子だからわかんねえけど。

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