翼~開け放たれたドア~

春輝の仕事

「…ざわついてる」

雅人たちと少しだけ話してすぐに幹部室に戻った私。

だけど、下にいる人たちがざわついてるのを、私は聞き取った。

「え、春輝、何か言…「み、皆さん!」」

ドアの奥から直の声を遮った下っ端の一人。

ドアの近くにいた秋人がガチャリとドアを開けると、焦った様子の下っ端がいた。

「は、春輝さんを迎えにきたとかっていう人がいるんですが…」

「迎え?」

迎えなんて呼んだ覚えないけど、心当たりなら……うん、ある。

たぶんだけど…雷かな。

「…行くぞ」

空夜の一言で皆立ち上がり、下へと向かうと、案の定そこにいたのは

「あ、春輝ー!!!」

雷だった。

「あれー?理事長じゃーん!やっぱりー?」

「飛鳥!お前春輝に手ぇだしてねぇだろうな!?」

「理事長こそ手ぇだしてないのー?
一緒に住んでるんだってー?」

「だしてねぇよ!考えてみろ!
仮に、俺が春輝に手ぇだしたとする。
そしたらその時点で俺はたぶん殺されるっつーの!」

「え、春輝に?」

「いや、お前の担任」

「……あー…。なーるほど。そりゃ殺されるわ」

……二人して、手だすだの、殺されるだの、何の話してるんだろう。




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