翼~開け放たれたドア~

雷と龍也の話

~雷 side~

──コンコン

ノックの音が聞こえて、俺はそっちのほうに目を向けた。

……きたか。

「…龍也」

「…あぁ」

ちょうど龍也がここにいるし、ちょうどいいじゃねぇか。

どうせ、

「…失礼します」

王覇の奴らだろ?




「雷さん、龍也さん」

相澤空夜は真剣な表情をしている。

「そろそろくる頃だとは思ってたよ」

俺はフッと笑ってから、強い眼差しを奴らに向けた。

「──春輝、だろ?」

「…はい」

相澤空夜は頷いた。

「何が聞きたい?」

俺はあくまで冷静に言っているが、内心はあいつのことでいっぱいだった。

「あいつは…何を抱えているんですか?」

相澤空夜は俺を見つめた。

決意を込めたその瞳に少しだけたじろいだ。

……男同士の奴を考えんじゃねぇぞ?

俺はそんな趣味ねえからな?

「何を…ねぇ?」

龍也に視線を向ければ、拳が小さく震えていて、あいつのことを考えていることはすぐにわかった。

こいつ、意外と過保護だからな。
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