翼~開け放たれたドア~

屋上

私はというと、しっかりと、ピッタリ龍也の背中に張り付いていた。

フードをかぶっているけど、嫌なもんは嫌。

そう開き直って。

「篠原 春輝だ。俺の大事な奴だから、なんかやったらゆるさねぇからな?」

ドスの聞いた龍也の声に、再び皆がざわめきだした。

──あのりゅーセンが…!?

──何者なんだよ、あいつ…

──男のクセにちいせぇけど

──フードかぶってるし、隠れてるのなんで?

──ていうか、きもちわりぃな。あいつ…

…全部、聞こえてきてる。

やっぱりね。ここも一緒だ。

見かけで判断して、その人の価値はかって。

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