翼~開け放たれたドア~
肯定されてもやっぱりわからない。
彼女が誰なのか。
私は何を忘れているの──?
『ここよ』
ハッと、俯いていた顔をあげる。
目の前には、
「……ドア?」
『そう。ここから先はどこまでも大きな世界が広がっている』
そう言われて上を見上げれば、何本もの黒い銀みたいな棒に囲まれている。
自分が籠の中にいるということはすぐにわかった。
また、ドアへと目を移す。
開いたそれの向こうは、なぜか何も見えない。
ゆっくりと、後ろを振り返る。
──“黒と赤”。
倒れた人と、赤い血がそこにはあった。
だけど、私は普通だった。
罪を償うためにしたことだから。
彼女が誰なのか。
私は何を忘れているの──?
『ここよ』
ハッと、俯いていた顔をあげる。
目の前には、
「……ドア?」
『そう。ここから先はどこまでも大きな世界が広がっている』
そう言われて上を見上げれば、何本もの黒い銀みたいな棒に囲まれている。
自分が籠の中にいるということはすぐにわかった。
また、ドアへと目を移す。
開いたそれの向こうは、なぜか何も見えない。
ゆっくりと、後ろを振り返る。
──“黒と赤”。
倒れた人と、赤い血がそこにはあった。
だけど、私は普通だった。
罪を償うためにしたことだから。