翼~開け放たれたドア~
普通の人なら目を背けるような光景を、私はただ見ていた。

それにゾクリともしない私はやっぱりおかしいんだろうか。

“お、おかしいよお前…。化け物かよ!!”

いつか、潰した族の総長に言われた言葉。

誰も私を必要としていない。

こんな私なんて。

“私”はやっぱり、存在が罪なんだ。




『ちがうわよ、春輝』

「……っ!?」

まるで思考を読み取ったかのような感じ。

私は驚いて声がした後へ振り返った。

そこには、

「わ、たし…!?」

真っ白な純白な翼を背中から見せ、それと同じ髪色をもった女の人がそこにいた

驚いて私かと思ったけど、よくよく見れば違うことがわかった。

だって私はもっと幼い容姿だ。

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