翼~開け放たれたドア~
目の前で翼をはためかす彼女は、大人の容姿。

それに、瞳の色がちがった。

私は紺色だけど、この人の瞳は金色。

まるで天使のように美しい。

なのにどこかに幼さも残る不思議な人だった。

初めて見たその人の姿に私は息をのんだ。

なのに、それと同時に胸が熱くなって、強く締め付けられた。

私、やっぱり知ってるんだ。この人が言ったように。

『……春輝。“好き”っていうのはね、感じることなの。身体で。心で』

感、じる…こと……。

「…それってどういうこと?」

『それは自分で見つけなきゃダメ』

まるでイタズラした子供みたいに無邪気な笑顔を浮かべたその人は、

『……春輝。ごめんね』

すぐに眉をさげ、悲しそうな顔をした。
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