翼~開け放たれたドア~
こいつをどう思っている?
こいつは俺にとってどんな存在だ?
春輝と話すと頬が緩む。
抱きしめれば離したくなくなる。
泣きそうな顔されれば胸が締めつけられる。
誰かに抱きしめられれば息さえもできないほどに苦しくなって…。
あぁ、そうか…。
俺は、こいつが好きなのか──。
こんな簡単なのにな。
今までなんで気づけなかったんだろうな?
俺は腕の力を強める。
「空夜…?」
長い前髪から覗く、大きな黒い瞳。
「…なんでもねぇよ」
そう言葉では言うのに行動は裏腹で、より強く抱きしめる。
好きだって自覚したとたん、不安にかられた。
どこかに行っちまいそうだから。こいつが。
腕の中に閉じ込めてしまえれば。
そう、強く強く願ってしまうほどに。
儚く美しい、揺れる小さな──好きな女。
胸を支配するこの熱いもんの意味がようやくわかった。
これが、──“愛しい”。
~空夜 side end~
こいつは俺にとってどんな存在だ?
春輝と話すと頬が緩む。
抱きしめれば離したくなくなる。
泣きそうな顔されれば胸が締めつけられる。
誰かに抱きしめられれば息さえもできないほどに苦しくなって…。
あぁ、そうか…。
俺は、こいつが好きなのか──。
こんな簡単なのにな。
今までなんで気づけなかったんだろうな?
俺は腕の力を強める。
「空夜…?」
長い前髪から覗く、大きな黒い瞳。
「…なんでもねぇよ」
そう言葉では言うのに行動は裏腹で、より強く抱きしめる。
好きだって自覚したとたん、不安にかられた。
どこかに行っちまいそうだから。こいつが。
腕の中に閉じ込めてしまえれば。
そう、強く強く願ってしまうほどに。
儚く美しい、揺れる小さな──好きな女。
胸を支配するこの熱いもんの意味がようやくわかった。
これが、──“愛しい”。
~空夜 side end~