翼~開け放たれたドア~
「あ、は、はは…。ご、ごめん!!」

飛鳥は噛みながら私を離す。

とたんに身体が風に吹かれ、身体がブルッと震えた。

だから、飛鳥にしがみついた。

「わっ、ちょっ、春輝…!」

飛鳥は慌てた声を出してたけど構わずに手に力をこめる。

「あははははっ!飛鳥、地獄みちゃうかもね」

「まぁ、そんときはちゃんと丁寧に葬って(ほうむって)やるから」

「いや、秋人。そこらへんに放り投げとけばいいじゃねぇか。飛鳥だし」

「……それもそうか。蓮、教えてくれてサンキューな」

「ちょっとー!?みんなしてひどくなーい!!?
なんで俺だけそんな扱い!?」

「「「バカだからじゃない?」」」

「3人して声合わせるほどに!!?
てゆーか春輝!!ちょっと離れてくんないと…」

4人が会話を繰り広げている間もずっと私は飛鳥に張りついていた。

だけど、“離れて”と何度も言われるからなんだか不安になってくる。

「飛鳥、私のこと嫌い…?」

出た声は自分でも驚くくらいに震えていて、いつの間にこんなにみんなに執着してたんだろうと思ってしまった。

「い、や、そーじゃなくて…」

「…じゃあなんで?」
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