翼~開け放たれたドア~
「…………」

なに、この変化。

ゴミクズ1つない。クスリの匂いもしないし。

それに、下っ端たちの顔がイキイキしている。

…そっか。変われたか。良かった。




目の前の倉庫は以前が嘘のような変わりようだった。

私はしばらく様子を見ているだけだったけど、

「あれ…?」

緑の髪の人に、私のことを気づかれた。

…てか、この人……

「wing!?来てくれたのか!!」

ここの総長じゃん。

「久しぶりだな」

私はいつものwingの恰好できているから男口調で話す。

「へへっ、まあな。そっちも元気そうでなによりだ」

「俺がそんな弱そうに見えるか?」

「いやまったく」

失礼な。確かに喧嘩は負けたことないけど。

「…変わったな。“赤鬼”」

「それ言うなよ。反省してんだから。
それに今は“緑華リョクカ”だ。覚えとけよ。
連絡したときに言っただろ」
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