翼~開け放たれたドア~
「…………眠かったからな」

「なんだよ今の“……”は。長いだろ。
てか、聞いてなかっただろ、その反応じゃ。そこらへんの話」

「わりぃ。眠かったのは本当。
だってさ、お前から電話かかってきたの夜中の2時だろうが」

「うっ…。そ、れは…」

「眠くないほうがおかしいだろ。時間を考えろ。
てことで俺は悪くない」

「はーぁ…ほんとかなわねぇな。wingには」

奴はため息をついたけど、呆れているのとは違う、優しいため息だった。

「……サンキューな。wing」

「何の話だ?俺はただ話しただけだ」

「いや、俺の下っ端ほとんど病院送りにした奴の台詞じゃねぇだろ…」

「……それもそうか。じゃあ、ぶん殴って話しだけ」

「お前なぁ…」

そんな話をしながら、私は奴に連れられて、倉庫の中へと入った。


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