翼~開け放たれたドア~
だけど今は

「で、本題は?」

私の一言で、寝ている信弘以外の2人の顔が一気に族の顔になった。

「…わりぃな。俺らだけじゃどうにも解決できなさそうなんだ」

そう前置きをすると、結翔はポツリポツリと話し始めた。

「最近…、下っ端が何人か闇討ちにあってる」

闇討ち…。

「骨折だとか、そういう奴もでてきている。
まとまって行動させても、相手が強いらしくてな。必ずといっていいほど怪我して帰ってくんだよ」

悔しそうに顔を歪ませる。

「しかも、殺られた奴の話によると、相手は鉄パイプとか警棒とか使ってくるらしい。
前の俺らと一緒なんだよな…。
すげえ痛感したよ。
前の俺らがどんだけ汚れていたかを。
どうにかしてぇけど、それくらいしか情報がねぇし、武器相手じゃ正直俺らだけじゃ太刀打ちできない」

だから…、結翔は私を強く見つめた。

「wing、頼む。力を貸してくれねぇか?」


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