翼～開け放たれたドア～
あぁ…、本当にこいつらは変わった。

卑怯な手を使わなくなった。

クスリをやらなくなった。

そして、仲間を思いやるようになった。

「…ふっ」

無意識のうちにこぼれた笑みに、２人の顔が驚きに満ちた。

「えっ？笑、…った？」

「はっ？笑った…よな？」

２人で顔を見合わせ、信じられないといった表情を浮かべる。

私は２人を見据えた。

「……上等だ。協力してやるよ。
言っただろ？」

私は立ちすくむ結翔の目の前に行くと、揺れる瞳を覗き込んだ。

「“俺が、助けてやるから”って」

目を見開いて私を見ていた結翔は顔を歪ませると、はーっと息をはきだしてその場にしゃがみこんだ。

「わ、るい……。ありがとな…」

震える声で小さく言った結翔の頭をクシャッと撫でる。

漏れる嗚咽に胸が締め付けられた。

「wing…、ごめんね？」

優太の悲しそうな声に首を振る。

「俺を誰だと思ってる？」

「……それもそうだね」

苦笑した優太の目も潤んでいて、私はそっと頭を撫でてあげた。



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