翼~開け放たれたドア~
私はあれから、夜に街を出歩いて情報を集めるようになった。

売られた喧嘩を買って返り討ちにし、情報を聞き出す。

闇討ちにあってるってことは、相手からきてるってことだから、こうしてればいつかは当たるかと思ったんだけど…。

んー…、それらしき人には会えてない。

その代わり、情報はそれなりに集まっている。

まず、奴らは昼夜関係なく襲ってくるということ。

そして、そいつらは必ず、手首にリストバンドをしているということ。

そのリストバンドの色は、赤だということ。

「赤…か」

それは、私が纏う(まとう)血の色でもある。

鮮やかで禍々しい(まがまがしい)、──赤。

目を瞑ると、脳裏に広がる血の海。

すると、浮かんできたのは…、なぜか

──白い髪の天使だった。

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