翼~開け放たれたドア~
ヒュッと息を呑んだ。

「な、んで…」

私は──

 



──ズリ…ズリ…

地面に何かを引きずる音がして、私はハッとして振り返る。

そこには

「みぃつけたー…♪」

どこか壊れたように笑う男が5人いた。

それぞれ鉄パイプや警棒を持っている。

さっきの音は、鉄パイプを引きずる音だったらしい。

私は男たちの体型や、服装を手早く見定めた。

いずれも黒や茶色を基本とした地味な恰好で、フラフラとした足取りだから、そんなに強くないと確信した。

そして男の手首を見て私は、やっと見つけたと思った。

こいつら…、赤いリストバンド をしてる。

「今回の獲物はこいつかぁー。
ほんとは緑華の野郎だけと今日いないみてぇだしなー」

「フードとか被っちゃってるけど、弱いんじゃねー?こいつ」

「ま、とりあえず殺れればそれでいいしなー。いいんじゃね?」

「ぎゃはははは!」と、下品に笑う男たちに、私はため息をついた。


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