翼~開け放たれたドア~
「…は、るきさん…」

龍也は、俯いた。

「んで…そんなに自分を下げるんですか…?
俺は、春輝さんのことを、そんなふうには思っていないのに…!」

「龍也」

ちがう。ちがうんだよ。

「俺が下げてるんじゃない」

「え…」

「元から、俺はそういう人間だ」

もう、これ以上下がんないくらいに。

私は最初から下にいた。

私は最初からここだった。
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