翼~開け放たれたドア~
それを見届けてから、俺は下っ端からwingを受け取る。

思っていたよりもずっと小さくて軽すぎる身体に、俺は驚きを隠せなかった。

こんなに身体が小さいのに、あんなに強い。

族一つを簡単に潰せてしまうほどの実力。

だけど、今は…。

眉を下げ、荒く息を吐くwingは、そんな面影なんて一切なくて。

それに戸惑いつつも、あまり刺激を与えないようにと、俺はゆっくりと階段をあがっていく。

「信…。闇討ちがなくなったのってwingが何かやったからだと思うか?」

「…それはわからない。が…」

「…どうした?」

「…言わないでおいたんだがな。
昨日、wingが暴走していたらしい」

「暴走!?」

こいつが…?

俺は、腕の中で眠る少女を凝視する。
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