翼~開け放たれたドア~
「それしか情報はないけどな。
誰かがブロックしているみたいだ。
もしかしたら、この状態であることと関係あるかもしれない」

「…そうか」

昨日か…。

てか、やっぱ雨にあたったんじゃねーかよ。

だからか?熱だしてんのは。

「まぁとりあえず、優太がいろいろと用意してるみてぇだし、寝かせてやるか」

「あぁ」

俺はwingを抱え直す。

さらりと揺らめく白い髪。

それが、なんだかすごく眩しく見えていたあのとき。

だけど今は…。

「…なんか、泣いてるみてぇだな。お前」

ひどく悲しそうに見えるこいつ。

まるで、寂しくて泣いている少女のようで。

胸が締めつけられるように痛むこの感情がなんなのかはわかんねぇけど。

でも、確かに痛くて…。

「……そういえば俺…、お前のこと何も知らねえな…」
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