翼~開け放たれたドア~
「わりぃけど俺は“クウヤ”?って奴じゃあ…」
そこまで、言いかけたときだった。
「お、おい!!?」
ポロリ、と。
wingの瞳から透明な涙がこぼれ落ちたのは。
え、ちょ、な、は!?
どーすんの、これ。俺泣かしたの?
……いや、落ち着け。落ち着くんだ、俺。
俺は何もしてないはず。
…じゃあなんで泣き出したんだ。
俺は茫然と目の前の奴を見ていた。
しゃくりあげることもなく、ただ静かに“クウヤ”って奴の名前を呼んで涙を流すwingは、噂で恐れられるwingじゃなくて。
今、目の前にいる普通の少女に、俺は言葉を失った。
──バァンッ!!
突如としてドアが大きな音をたてて、小さい奴……優太が元気に部屋に入ってきた。
「結翔ーっ!!おは…」
叫び声にも近い大声が途切れたのに不思議に思い、首を傾げると。
「…結翔。なんでwing泣いてるの?」
…あ、そーでした、ね……。
思わず目を泳がせる。
結翔が怒っているときには、特徴がある。
一つは、笑っていたとしても目が笑っていないこと。
そしてもう一つは
「場合によっては、赦さないよ…?」
語尾をのばさずに話しているとき。
そこまで、言いかけたときだった。
「お、おい!!?」
ポロリ、と。
wingの瞳から透明な涙がこぼれ落ちたのは。
え、ちょ、な、は!?
どーすんの、これ。俺泣かしたの?
……いや、落ち着け。落ち着くんだ、俺。
俺は何もしてないはず。
…じゃあなんで泣き出したんだ。
俺は茫然と目の前の奴を見ていた。
しゃくりあげることもなく、ただ静かに“クウヤ”って奴の名前を呼んで涙を流すwingは、噂で恐れられるwingじゃなくて。
今、目の前にいる普通の少女に、俺は言葉を失った。
──バァンッ!!
突如としてドアが大きな音をたてて、小さい奴……優太が元気に部屋に入ってきた。
「結翔ーっ!!おは…」
叫び声にも近い大声が途切れたのに不思議に思い、首を傾げると。
「…結翔。なんでwing泣いてるの?」
…あ、そーでした、ね……。
思わず目を泳がせる。
結翔が怒っているときには、特徴がある。
一つは、笑っていたとしても目が笑っていないこと。
そしてもう一つは
「場合によっては、赦さないよ…?」
語尾をのばさずに話しているとき。