翼~開け放たれたドア~
いいだろ?という風に、後ろにいるあいつらのほうに振り返る。

そこには、飛鳥、直、秋人、蓮が笑って立っている姿があった。

「しゃーねぇーなー!
春輝連れてきてくれたし、この飛鳥さまも認めてやるよ!」

「うるさいよ。
ま、俺たちのお姫様を助けてくれたみたいだしね。俺も賛成だよ」

「ほんとだよ、飛鳥。
俺も認めてやっけどよ。
別に飛鳥が認めても嬉しくはねぇんじゃねぇの?」

「秋人。
飛鳥なんてほっとけ。
うるさくてめんどくせぇだけだし」

「なっ!みんなしてひどい!
蓮はもっとひどすぎるっ!
せめてほっとかないでかまってよー」

「泣き真似すんな。めんどくせぇ」

「また“めんどくさい”って!」

……うるせぇな、こいつら。

俺はぎゃんぎゃん騒ぐそいつらを無視することにした。

どうせ、同意を求めるまででもなかったしな。
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