翼~開け放たれたドア~
…ん?
なんか、黒髪が近づいてきた。
龍也の服の裾を思わず握りしめた。
私の目の前でピタッと止まった奴。
「なに」
「……お前、なんでそんなに怯えている」
「!?」
怯えている…?私が?何に?
私は、なにが怖い?
私は──…
奴に顔を覗き込まれ、ふいに前髪をどかされる。
「…っ!」
いやだ。いやだ。
こいつは、このひとは、
──雷たちじゃない。
「や、めろ!」
思わずその手をはらった。
「お前のその目──」
──ズキン
「…っ!!」
「は、春輝さん!!?」
「はっ…」
頭が痛む。呼吸が上手くできない。
頭の中に流れ込んでくる映像。
頭の中で響く音。
“お前のその目、その髪が──”
止めて
“──の子供ごときに”
なんで
“この恥さらしが!”
あぁ…そうか
“お前は、いらねぇ子なんだよ”
私は──
「春輝さん!!」
「おい!?」
「春輝!!?」
私は、その“私をみる目“が怖い──…
意識がなくなっていく中で、みんなの焦った顔が、見えたような気がした。
なんか、黒髪が近づいてきた。
龍也の服の裾を思わず握りしめた。
私の目の前でピタッと止まった奴。
「なに」
「……お前、なんでそんなに怯えている」
「!?」
怯えている…?私が?何に?
私は、なにが怖い?
私は──…
奴に顔を覗き込まれ、ふいに前髪をどかされる。
「…っ!」
いやだ。いやだ。
こいつは、このひとは、
──雷たちじゃない。
「や、めろ!」
思わずその手をはらった。
「お前のその目──」
──ズキン
「…っ!!」
「は、春輝さん!!?」
「はっ…」
頭が痛む。呼吸が上手くできない。
頭の中に流れ込んでくる映像。
頭の中で響く音。
“お前のその目、その髪が──”
止めて
“──の子供ごときに”
なんで
“この恥さらしが!”
あぁ…そうか
“お前は、いらねぇ子なんだよ”
私は──
「春輝さん!!」
「おい!?」
「春輝!!?」
私は、その“私をみる目“が怖い──…
意識がなくなっていく中で、みんなの焦った顔が、見えたような気がした。