翼~開け放たれたドア~
誰かが床を蹴り、こちらに走る気配がした。
私は素早く赤城啓悟の正面に回り込み、片手をあげて庇うようにして立つ。
ビタッと、赤城啓悟に殴りこもうとした相手──雷の動きが止まる。
咄嗟に後ろへと飛び移り、そして目を見開くのが目に入った。
「は、るき…?」
どうして、と私を見つめる雷の目を無言で見つめる。
戸惑いの色が、その瞳を揺らしていく。
その後ろには、龍也と、そして空夜たち。
「春輝…?なんでお前ここに…」
こちらに近寄る空夜が雷の後ろにいたけど、私はただ真っ正面…雷から目をそらさなかった。
それをどう受け取ったのか、空夜は雷の一歩斜め後ろで歩みを止める。
“行くぞ!!”
雷…、私ね、嬉しかったんだと思う。
監視していた人だったし、人なんて嫌いだけど、連れ出してくれて嬉しかった。
…ごめんね。ありがとう。
一瞬でも見れた光。
見上げた青空。
今はもう鉄の柵で見えなくても、確かにそこにあることを知ったから。
ただ、それだけで──
私は素早く赤城啓悟の正面に回り込み、片手をあげて庇うようにして立つ。
ビタッと、赤城啓悟に殴りこもうとした相手──雷の動きが止まる。
咄嗟に後ろへと飛び移り、そして目を見開くのが目に入った。
「は、るき…?」
どうして、と私を見つめる雷の目を無言で見つめる。
戸惑いの色が、その瞳を揺らしていく。
その後ろには、龍也と、そして空夜たち。
「春輝…?なんでお前ここに…」
こちらに近寄る空夜が雷の後ろにいたけど、私はただ真っ正面…雷から目をそらさなかった。
それをどう受け取ったのか、空夜は雷の一歩斜め後ろで歩みを止める。
“行くぞ!!”
雷…、私ね、嬉しかったんだと思う。
監視していた人だったし、人なんて嫌いだけど、連れ出してくれて嬉しかった。
…ごめんね。ありがとう。
一瞬でも見れた光。
見上げた青空。
今はもう鉄の柵で見えなくても、確かにそこにあることを知ったから。
ただ、それだけで──