翼～開け放たれたドア～
「ずっとずっと、考えてた。
なんでそんなに人を嫌って、んで、自分を責めるのかってな。
暴走して死のうとしやがるし」

呆れたようなそのため息に、不意に泣きそうになる。

嫌われたかな、めんどくさがられたかな、なんていう考えが頭をよぎる。

だけど、空夜はそんな私に気づいたのか、ふと腕の力を緩めると、私の目線にあわせて屈むと、安心させようとしているのか、優しく頭を撫でてくれた。

目を細め、微笑む空夜の顔が見たいのに、じわりと視界が滲んでしまう。

「お前は、ただたんに必要としてほしかっただけなんじゃねぇのか？」

……ねぇ、どうしてわかっちゃうの？空夜。

「居場所がほしかっただけなんだろ？
必要としてほしかったんだろ？」

……空夜の、言うとおりなのかもしれない。

言い切れないのは、私自身にもこの感情になんと名前をつければいいのか分からないから。

私は何も言えなかった。

「…お前、やっぱ寂しい奴だよな」

ふるふると首を振るけど、空夜は苦笑するだけで、それを認めはしなかった。
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