翼~開け放たれたドア~
「そりゃあ、俺の大事な奴が苦しめられてりゃあ来ないとだろ?
……なぁ、春輝」

その声に。その口調に。その懐かしさに。

全てが全部、繋がった気がした。

たまらず私は振り返ると、白い髪を靡かせて、自分の紺色の瞳にその人をうつし、私に向かって微笑んで腕を広げるその人の元へと走った。

涙がこぼれ落ちるのもそのままに。

そして───
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