翼~開け放たれたドア~
「もう……ほんとに無くしちゃダメよ?春輝…」

天使は鳥籠のドアにそっと手を触れさせる。

あんなに冷たかったそれは、光の温もりに包まれたおかげで、その温度を忘れさせるくらいに温かかった。


















「あなたが気づいてくれて……ほんとに良かった───」

天使の小さな呟きは、その楽園に優しく吹いた風に運ばれて、光とともに溶けて消えた……。



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