翼~開け放たれたドア~
「本当なら、殴りてぇくらいだ。
だけど、確かにタブーやっちゃった奴だが、それは春輝さんを侮辱するためじゃなかった。
こいつなら、春輝さんを助けてあげられるかもしれねぇ。
こいつらなら、春輝さん自身を見てくれる」

龍也は春輝を視線を向けた。

「だから、俺は怒らねえし、殴らねえ」

お前も、思っただろ?と、龍也は付け足した。

…こいつ、俺の考え読み取ったのかよ。

確かにさ、こいつらなら、春輝を救えるかもとは思ったがな。

なんでわかんだよ。ある意味こぇーよ。



「…チッ」

思わず舌打ちしたが、間違いではないしな。

「しょうがねぇ。次はないからな」

「…素直じゃないな」

……龍也。てめぇ…

「笑ってんじゃねぇ!!!」

「いや、ほんとのことだしな」

「くそっ!お前殴らせろ!」

「やだね」
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