翼~開け放たれたドア~
ギュッと手に力を込める。
春輝………目ぇ覚ませよ……。
そしたら、こんな場所からお前を連れ出していくことだってできんのに………。
この腕のなかに閉じ込めて、お前を守ることだってできんのに……。
ん……?
───“守る”……?
…………俺は、こんなんでこいつを守れるのか?
春輝を守れるほど強いって言えんのか?
目を瞑ったままの春輝の顔を、はっとした思いで見つめる。
こいつは、こんな“俺”を望むか…?
いや、そんなわけねぇ。
春輝は…、絶対こんな俺を望まないだろう。
“何してんの”
海さんと同じ……あの何もかもを見透かしたような紺色の瞳を向けて、そう言われちまうような気がしてならない。
だって…今の俺は──自暴自棄になってるだけだ。
もし春輝が次の瞬間に起きたとしても、俺はこいつを守れないだろう。
失うことが怖くて動けずにいるんだ。
だけど、それじゃあ俺はいやだ。
こいつを……守るために強くなりたい。
春輝………目ぇ覚ませよ……。
そしたら、こんな場所からお前を連れ出していくことだってできんのに………。
この腕のなかに閉じ込めて、お前を守ることだってできんのに……。
ん……?
───“守る”……?
…………俺は、こんなんでこいつを守れるのか?
春輝を守れるほど強いって言えんのか?
目を瞑ったままの春輝の顔を、はっとした思いで見つめる。
こいつは、こんな“俺”を望むか…?
いや、そんなわけねぇ。
春輝は…、絶対こんな俺を望まないだろう。
“何してんの”
海さんと同じ……あの何もかもを見透かしたような紺色の瞳を向けて、そう言われちまうような気がしてならない。
だって…今の俺は──自暴自棄になってるだけだ。
もし春輝が次の瞬間に起きたとしても、俺はこいつを守れないだろう。
失うことが怖くて動けずにいるんだ。
だけど、それじゃあ俺はいやだ。
こいつを……守るために強くなりたい。