翼~開け放たれたドア~
フッと鼻で笑う龍也をこれほど殴りたいと思ったのは初めてかもしんねぇ。

ほんっと、こいつにはかなわない。

喧嘩なら負けねぇけどな。

「あーもう!それより春輝だ!」

「そうだな。とりあえず…」

龍也はさっきとは打って変わった真剣な表情で、王覇の奴らに視線を向けた。

「お前ら、春輝さんが起きたら覚悟しとけ。絶対におさえつけろ。殴ったりはするな」

「…りゅーセン。それどういうこと?」

本田飛鳥は頭に“?”を浮かべている。
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