翼~開け放たれたドア~
「今は詳しいことを言っている暇はない。
だが、これだけは言っておく。
ぜってぇ、ここから出すな」

龍也のドスのきいた低い声に、王覇の奴らは少しひるみながらもしっかり頷いた。

その時、タイミングがいいのか悪いのか、

「う…」

春輝が呻き声をあげた。

「そろそろ…か」

そうつぶやいてから、俺はいつものように決心した。

絶対に、死なせたりしないと。

あの時みてぇに、もう後悔はしたくねぇ。

だから…ぜってぇ守るんだ。

~雷 side end~
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