翼~開け放たれたドア~
だけど、夜の闇が何もかもを覆い隠すから、何にも見えねぇんだよ──
「……っ!春輝…っ」
何度もそう呟いたけど、あいつからの返事があるわけもなかった。
春輝…、何でだよ…。
何でお前ばっかがこんなに苦しまなくちゃいけねぇんだ…?
教えてくれよ…。
すすり泣きの音が廊下に木霊する。
医者は気まずそうに目を伏せ、逃げるようにその場を立ち去った──
「……っ!春輝…っ」
何度もそう呟いたけど、あいつからの返事があるわけもなかった。
春輝…、何でだよ…。
何でお前ばっかがこんなに苦しまなくちゃいけねぇんだ…?
教えてくれよ…。
すすり泣きの音が廊下に木霊する。
医者は気まずそうに目を伏せ、逃げるようにその場を立ち去った──