翼~開け放たれたドア~
「ぷはっ…」

苦しそうな春輝のために少しの間だけ唇を離すが、すぐにまた塞ぐ。

奪うほどに深く、飢えているように強く、その甘い唇を貪る。

それでも全然物足りなくて、耐えられなくなった俺は、息を吸おうと薄く開いた唇を割って舌を入れる。

「っ!?」

驚いた春輝が身体を強ばらせたのにも構わずに、春輝の舌に自分の舌を絡ませ、ただ夢中で貪った。

「ふ、…はっ…」

鼻から抜けるような甘いその声。

普段は聞くことなんてない女の声に、俺の欲求はさらに深くなっていく。

もう、自分でも自分が分からないくらいに、俺は春輝を求めていた。

「ひゃっ!?あ、やだっ…!」

服の裾をあげて、その白い肌を指でなぞる。

その柔らかな感触が俺の思考を支配していく。

そしてもう少しで、春輝の胸に手が届く。そんなところまで来たとき。

「く、空夜…っ!」

春輝の呼びかけで、俺はやっと我に返った。

「あ…っ」
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