翼~開け放たれたドア~
まぁ、仕事っていうかなんていうか…もうやらなくてもいいんだけど、私から頼んで続けているだけだな。



私の“白”をさらけ出し、裁きを下す。

赤く、黒く、塗りつぶされていく私の過去。

それを消し去るように。

どんなにどんなに白を塗り重ねてももう戻らないのにね。

私の“白”は、汚れている。



「春輝?」

「……なんでもないよ、直」

忘れちゃいけない。

私に光は似合わない。

いや、なってはいけない。

──私は、生まれた事が罪。

求めることは赦されない。



「そう?じゃあ行こうか」

「ん」
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