翼~開け放たれたドア~
奇怪なものを見る目。

囁かれる悪口。

「あの人たち、嫌がってた」

なのに、空夜一人の判断で私がいていいわけがない。

「大丈夫だ」

…そう言い切れる理由でもあるんだろうか。

「俺が認めたんだ。あいつらだってじきに分かる」

「何が」

主語を言ってほしい。

だけど、空夜は口の端をあげただけで、教えてくれなかった。



< 76 / 535 >

この作品をシェア

pagetop