翼~開け放たれたドア~
そういうと

「…変な奴」

秋人は初めて笑ってくれた。

「…秋人、笑った」

「ん?わるい?」

フルフルと顔を横に振った。

「…俺、人と接するの好きじゃねぇし、女なんてだいっきらいだけど…、お前は平気」

なんでだろうな、と呟いた秋人は、やっぱり気づいてたんだ。

私が女だってことを。

「…なんでなのかなんて知らない」

だけど、

「人なんて、分かんないし、知らないことだらけだから、別にいいと思う」

そのままでも、きっと。
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