翼~開け放たれたドア~
手を伸ばしてその頭に触れる。

雷たちがせがむたびにしてあげたように、ふわふわと撫でた。

なんだか少し嬉しそうな顔をした秋人は、

「…春輝の手、落ち着く」

と、大人しく撫でられてた。



「あー!秋人ずるいっ!」

「うっせぇよ。飛鳥」

いつの間にここにいたの。飛鳥。

「俺も俺もっ!」

「…ん」

秋人を撫でるのをやめ、飛鳥のほうへやる。

あ、なんか結構かわいいな。飛鳥。

犬の耳と尻尾が見える。

「お前ら、男に撫でられて嬉しいか?」

…え?

この人気づいてないの?

たぶんだど…他の人皆気づいてるよ?


< 81 / 535 >

この作品をシェア

pagetop