翼~開け放たれたドア~
「…お前らなにやってんだ」

空夜の呆れた声が、小さく聞こえた。





「そろそろだなー」

飛鳥の声に空夜は静かに立ち上がった。

「春輝、おいで」

直に手招きをされ、近づいていく。

「いい?これから人がたくさんいるところにいくけど、逃げないでね?
俺たちの近くにいること」

「…努力する」

でも、逃げても文句言わないでほしい。

人はやっぱり嫌いだし。
< 89 / 535 >

この作品をシェア

pagetop